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いつもよりもっと早く起きて冷たい朝を歩いて駅、揺られて駅、いつもの駅。重力を配り歩くあの光源との間で奪い合われるものについて考える。いつもより早く会社に着くといつもより早いのに人がいる。首から下げたカードをタッチしてオートモードの人格が動き出す。朗らかっぽい声で話している。やる気も、目的も、楽しさも愛着もないのに心理的安全に守られてできてしまうのだ、動因がないのに役割だけをやるということの発生をはじめて体の上で見て、変な気分だった。分厚い殻のようなもの。そういうわけでとても見たくてずっと楽しみにしていた演劇にいけなくなって、でも悲しむこともできずに朗らかっぽい感じで笑っている。順番にとった休憩時間、無人の休憩室で踊る。怒りも悲しみも体に渦巻くものもなにもなかったが、座り続けることも歩き回ることも思い出せずに踊ることしかわからなかったから踊っていた。帰るころには日付が変わっている。時刻表を調べて走っていったリーダーの人は無事に帰れたのだろうか。若者が群れているのを見てなぜかいつもうれしい。3人ぶんのゲロを見た。いろいろな声が頭のなかで何かを言っていて、思考よりもずっと声に近くてこれって大丈夫だろうか。