0612

先週と今週でひとつずつ、系統の異なる芝居を見た。それらの距離についてずっと考えている。

今日は期間の空白を基準にすれば懐かしいに該当するはずの友人に会った。あまりひさしぶりな感じはしなかったけれど、思えばそれほど色々なことを話したようなこともほとんどなかったから、明るい違和感として点灯した、うれしいことだった、不思議で愉快な時間だった。店内の電飾、外を雨雲の影が通り抜けていった。

奇しくもこのタイミングで、同窓会のお知らせが届く。じりじりと劣等感が指先を焼いた。わたしはわたしの正しさで立っていれば良いそのことなど頭ではきちんとわかっているはずなのに。

筆箱が見当たらない。黒いメッシュの、中に筆記具と、有線イヤホンと、手元あかりだけはなぜだか机にあるのだけれど、先月もらった紙製の小さなカエルが入っていた。困っている。イヤホンがなければ仕事で困るし、カエルがなければわたしの気持ちが困るのだ。大した文脈もない。くれた人にこだわりがあるわけでもない。でもそれがいることが、今のわたしにとってとても大事なことだった。筆記具は買い直せば良い。イヤホンだって金銭的に少し痛いが同じこと。でもカエルだけはどうしようもない。同じ人にまた作ってくださいと頼んだところで同じ文脈が生じようがない。いまとても、途方に暮れている。