0613

午後、図書館に行った。本を返して本を借りた。雨が降っていて、道にはほとんど誰もいない。公園には切り離された紫陽花の束が土に濡れていてすこし悲しい。

帰ってしばらくしても雨は降り続いていて、部屋でぼんやりしているとそういう音ばかりに意識が向く。かさねて停車する車の、ピーピーという音。ピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピー雨垂れピーピーピーピー換気扇菜箸ピーピー、雨音。換気扇。車のドアの閉まる音。雨垂れ。食器をかさねるこんにちは宅急便です雨音、かき混ぜ軽い金属音。雨音。換気扇。

借りたのは、暁方ミセイの『魔法の丘』、わたしは彼女の詩が好きで、2冊は部屋に、1冊は端末の中に入っているのだけれど、どういうわけかこれは未読で、図書館で詩集が借りられると気付いたときの新鮮さのままに予約、半月ほど待った。椅子はあるのに床に座って読む。雨のせいか知らないにおいがして、気がついたら眠っていた。そんなことばかり、そんなことばかりだ