0207

漠然と鬱屈が頭上にもたれて揺れる朝、なんとなくの予報を信じて私だけ傘を持つ朝、電車はいつも異界のようだ、女性の車掌さんの声がとてもきれいで、くっきりした声が好きなんだなの再認は足を踏んだ反射のすみませんを、ぼやっとした喉の震え、すり抜けてどこかへ行ってしまう。南無。飲み込まれれば集中は心地よく、がらんとしたフロアに私たち数人だけ、窓のない部屋で夜まで過ごしてどんどん言葉が混ざり始める、文書の言葉が一斉に発音を始めて空調とサーバーとそれから何か色々の音で抽象音楽みたいになった環境音と混ざって思考はぐるぐる、もうこれ以上回らない、かくりと落ちた効率性でキーボードぱたぱた、5年くらい前はここには人がたくさんいて、一つの机を二人で分けていたとか、このご時世になると昔話みたいですね。などなど。