0806

母と妹のはしゃぐ声で目が覚める。朝食の食器同士が当たる音がやむのを待って、それから起きたふりをする。晴れ。あっけらかんと夏は訪れて、我が物顔でこの町にも居座る。

つるりとホームに滑り込む電車、ふわっと浮いた気になる。眼鏡を買いに行った。 あれこれ試しながら、つくづくつまらない顔をしていると思った。視力を測る、ひらがな、分裂する像。30分後に取りに来てくださいと言われて、店の外に出る。懐かしいような何も知らないような街をふらふらと歩き回る、ときどきは行き止まりにたどり着く。昨夏偶然出会った人たちは今頃どうしているだろうか。時間はすぐに過ぎた。調整で無意味に遠慮をしてしまい、帰ってから後悔する。ことあるごとに位置を直す。鏡に映る縁の内側が青く光っていて、ある人のことを思い出す。

 

ぶくぶくと膨れ上がっていく通知の数に何も思わない。3時間と3日間の区別さえあまりついていないのではないかという心持ち。Amazonになぜか固定電話を勧められて眺める。