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声を出す練習をした。何が望む方向なのかがもっとはっきりしていたら人に頼ることも考えられるのだが、とりあえず目下の目標は人並みに発音できる状態の維持なのでそもそもといったところ。自分の好きな言葉を好きなように読めるようになりたいというのがその次で、閉じた趣味なのだし長い目でやっていこうと思っている。わーっと声を出すと色々思い出す、高校の時に軽音楽の同好会に入っていて、私は全然歌わなかったのだけれど、最後の内輪のライブで誘ってもらって、一つは断ってしまったことをずっと引きずっている。歌うことはずっと苦手、苦手意識は強いのに音楽なんか選択してしまって先生に何を相談したのかは思い出せないけれど、金曜日1限前の音楽室に通っていたこととかも思い出す。苦手だけど嫌いではないのだな、一人でいれば口ずさむ歌のひとつやふたつはあるし、そもそも詩を読むこととそんなに変わらないことのはずだし。

夏至を少しすぎてまだ夕方がとても明るい、とてもこんなに水色であることがあるのか、空気がこんなに鮮やかな青になることがあるのかと思うくらいの青い日暮れを泳ぐ気分で歩く、人気のない道でマスクを外す、夏のはじまりそうな匂いがこんなにもくっきりとざらついたものであったことに初めて気が付く。