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内向的な歌集の手触り 林檎を切る音 来年に比べて柔らかな冬 クリック、ゆっくりと暮れていく祝日 20年前にはもうはっきりとした意識があって、読み書きも走ることも絵を描くこともできた

地元の神社に初詣に行った。私ひとりかと思っていたがちらほらと人の姿があって、混み合った商店街にあるのにどこからか入ってくる真っ直ぐな陽光の中を子どもが、その親が、あるいは友達同士が確かな足取りで経験するのを私はひとりでゆらゆらと見ていた。帰りにみかんを買った

地域の図書館の新着通知サービスに登録していて、詩歌の本が入ったときメールが来るようになっている。多くは歳時記やシルバー川柳の本、でもたまに現代短歌や現代詩の本が入るので、何も考えずに貸し出し予約を入れる。ちょっと嫌な恣意かもしれない。それで借りた歌集を読みながら、楽しく、でも一冊の本に1,700円は私にとってはちゃんと高いなと思った。金銭感覚に安心して虚しい。明日がきてあたりまえに平日に幽閉されることが、絶対的に嫌だ。