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朝ってなんでこんなにあかるいんだろう。しゅるしゅると、車両が駅の影に吸い込まれているのがみえる。昼休憩の会社の休憩室では、携帯を見ていることよりも、本を開いていることのほうが罪悪感がある。誰も何も言わないのに。日焼け止めを塗り忘れたままの右手を光からかくす。右肩はあたたかさに溶けていくようだ 日に当たっているあいだ、わたしは輪郭を太陽に明け渡して眠たくなっている

喜びの閾値が低いので、他所から見りゃどうでもいい仕事とも言えない作業のようなものがいくつか片付いたとき単純に嬉しかった。私の肩はキッチンの量りくらいしか許容しない。

都庁がやばい色に光っている 誰かに叫びたい気持ちはすぐにしおれる 無人の客席 影を抱いたままひからびていく劇場 それでもここは大丈夫の星で、どろりとくすみきった川からは生きているものが飛び立つこともあるみたいだった