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トイレットペーパーは、シングルのほうが両面をコーティングしなければいけないからダブルのそれよりも結局どうこう、という話をぼんやり思い出す。肝心の結局どうこうのあたりがどうなんだというあたりが思い出せない。その人はわたしの神様だった。3年くらいしたら、少しだけ言い回しが近しくなる気がしている。

午前中はハイで、日が傾き始めてからはローな一日だった。ハイのとき、ずっとどきどきしていて、なんだって気軽に口にできる気がして気分がいいけど落ち着かない。ローになると重力のことをいつだって意識せざるを得なくなる、小学校のプールの授業で最初の方にやるだるま浮きみたいにして床に這いつくばって。わずかにでも気力が回復するのを待って、どうにか椅子にたどりつくまでの時間、このときのカイフクにこそ恢復という字を当ててみたくなる。音を潜めて暮らすようになってだいたいひと月が経って、ワイヤレスイヤホンの点滅をうるさいと思うようになった。

やがて書くことを書き尽くして思うことを思い尽くしてしまったらそのときは、昔の日記を切り貼りとかして新しい日々を作ってしまおうと思う。未来を信仰することは、あんがい難しいのではないだろうか。