0415

朝、メールの通知で3月に一度だけ出勤したぶんが入金されたのを知る。時間差で、お店のラインが動く。もう卒業したのだけれど、誰かが抜けるのを待っていたらまだ誰も抜けないので去るに去りがたくてこの日に、16日からの営業が停止されることを知る。もうしばらく頑張るのだな、と思ったけれどそんなことはなく、ただ明日であることに虚をつかれる思い。脱色された曜日と、意味も何もかも剥がれ落ちてただのマークになりかわった日付の上を、わたしたちは今でも歩いているらしい。このまま続けば、いつか重力さえ失われていく日が来てしまうのだろう。

きょうは外に出ようと思う。きょうは外に出ようと思う。きょうは外に出ようと思う。日が暮れはじめる前に外に出ようと思う、どんなくだらないことだって繰り返せば呪いになって、それ以外に人が何かを繰り返す理由なんてないと思っている。

ずっと昔に習いごとで通っていた区民ホールも営業を止めていた。裏で知らない花が驚くくらいきらきらと光っていて花に明るくないいまをあーあ的に思った。黒い猫が目の前を通りすぎて、首輪はつかずとも毛並みのつやつやした猫だった、2度目が合ったきがした。走る猫の四つ足の動く様は、いつ見ても初めて見るような気がする、嘘みたいに見える。

夕方に追いつく前の薄青い空にパラボラアンテナが影とともによく映えて、終わったら写真を撮ろうと思っていたことだけ覚えていた、のに、肝心の撮ること自体を忘れていた、のを、ずっと後になってから思い出す。