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まだ凍りついたままの路面、都心を包む冬の光のあまりにも無垢であること クラゲの傘にある系統樹みたいな模様 無我の象徴のような存在と自我の強過ぎる音楽 大きい魚 眠っている魚 朝に見た犬は石の匂いを嗅いでいたな 知らない人のマフラーの網目を視線だけで歩く(これが他人の話であれば眼差しということばを使っただろう)

先頭車両の光線が到来するとき、その光の中のことを考える もし私が本当に線を越えようとした時は、この乾いた川に飛び込むのではなくて息を塞ぐのだろうと思う 私の考えていること、使う言葉、ものの捉え方やコミュニケーションの全てにはあまりにも瑕疵が多く、もう二度と誰にも会いたくないような気がしてしまう それでも人に会えたときは嬉しく、そしてまた間違えてしまうのだ