0201

後ろで妹が笑う声が聞こえる。嘘じゃない。部屋の間取りとして私は隣室に背を向ける形に定位置があって、間を隔てる壁もキーボードのタイプ音ひとつ遮らない薄いものだったから。よそ行き用の甘ったるい話し声から逃げるためにイヤホンをつける、ききたいものがない、ノイズも駄目だった、手当たり次第で去年よく聞いた曲で自動生成されたリストを掴めばそのまま引きちぎられるような、すり潰されるような気持ちになって散々。なのになんだか顔は笑うのをやめられないのだな。

 

書きたいことは色々あったはずなのに、なんだか上手く書けないのはどうしてだろう。例えば先日、大学に行ったときに立ち寄った古本屋さんでメモした書名と図書館越しに出会い直した話とか。読んでみたら驚くほどに趣味の部類で、そもそも文芸に疎い私はおそらく聞いたこともない作家のものだったけれど、こんなこともあるのだなと思ってそれが最近のかなり嬉しかったこと。

あとは、まだ肌の乾燥が続いていて、腕など引っ掻いてしまったあかつきにはそこがみみずばれみたいに赤く小さく膨れ上がってしまうことなども。