0629

異様に眠たかった。

純粋な眠気。普段の眠気もれっきとした眠気なのだけれど、なんと言えば良いのだろう、意識のある方向から反対へ反対へと逃れようとする結果としての眠気に対して、ただまっすぐに眠りの方へと引き摺られてしまうような眠気。お昼ご飯を食べながら、ふっとあのしにたさが飛来して、眠りへの引力は急加速する、少し気を抜いた瞬間にすっと吸い込まれていって、体のどこかを何かにぶつけたみたき衝撃のおかげで運よくすぐに目を覚ましたその瞬間、その一瞬に爽快なにもかもが冴え渡るような気分がさあっと通り抜けていって、一体あれはなんだったのだろう。そこからは友達に頼ってなんとか起きていた。ぬいぐるみを握りながら受けるのがスタンダードになってきている。終わってから、少し外に出て歩いた。返すはずだったのに見つからなかった本は本棚の中で見つかったので、それをブックポストに入れて、ぐるっと歩いて回って帰る。だんだんと大気が青くなっていく一歩手前の時間帯、風はゆるく流れていて涼しい。保育園帰りの親子の声がするっと溶けて、また空気は青に近づいていく。