0710

 

来年になる前に友達に殺されてしまうのかもしれないし。そう思うと、正統に恐ろしい気持ちがうわっと押し寄せてそれから、反対に楽になる気持ちが後から頼りなく追いかけてきて、質感、これは質感だと思うしかなくなる。

カーテンが揺れて部屋が点滅する:どうしても返事を返せていない場所が三箇所あって、本当に駄目なことだと思いつつ、一度抵抗を感じた場所にもう一度なんとか近づこうとすることの難しさもじかにわかってくるのであって、あの時いなくなってしまったあの人やこの人もこんな気持ちだったのだろうかと思う。誰かに共感することは難しく、相手の表情・声音からなんとか立ち起こした想像か、体験から演繹された貧弱な空想でしか相手に近づくことはできず、自分が一番可愛いのは当たり前で、可愛い同士適切な距離でやっていくしかないのではないかそうしていきましょうよの気持ちしか、今の所点滅しない。

 

落ち着かない気持ちに支配されてしまって何も手につかなくなるのはなんというか悔しいなあと思う。大事な面接を机の上でひとつ終え、また次の面接のために鞄を持つ。本当はパンツスーツを履きたいのに(足が隠れるし、ストッキングの破れも隠れるので機能的だと思う)、面接官の生きてきた常識を恐れてスカートを履いてしまう程度の脆弱な自我であるし、あーあーあー。

帰りの電車で、目の前に座った人の顔にはっきりとした痣が見えたこと。隠さずにいられるのは幸せな巡り合わせかしらなどとも思いつつ、こうやって気に留めてしまうこと自体の暴力性に対する不安、そもそもどうしてびっくりしてしまうのだろうな、何を思えばいいのか、何も思ってはいけないのか、何もわからなくて、何を読んでいるのかなあしか考えられなくなってしまって。お大事には弱っている人に向かう言葉であるし、お幸せにも特別な点の上に置かれる挨拶であるし、どれも違っている、すれ違う人すれ違わない人、みんな穏やかに暮らしていけますようにの平坦な祈りに回収されていく。